WSET Level3 記述式問題考察
WSETの記述問題
WSETの難関の一つは記述問題です。
WSETの記述試験を難しくしている一つの要因は、過去問が存在しないということでしょう。過去問が存在しなければ問題の傾向を把握することが難しく、どのような観点に注目して勉強すればよいのかわからなくなってしまいます。
しかし、スタディー・ガイドに記載されている数少ないWSETの記述練習問題を見て分析すれば、WSETの記述試験でどのようなパターンの問題が出題されるのかが見えてきます。
WSETの記述問題の7つのパターン
WSETの練習問題を細かく分析すると、全ての練習問題は以下の7つのパターンに区分できます。
- ある産地の地理、気候、環境を詳述する問題
- 特定の栽培方法、醸造方法、熟成方法を詳述する問題
- あるワインの外観、香り、味わい、品質を詳述する問題
- ある地理、気候、環境の産地において、特定の栽培方法や対策が選択される理由を答える問題
- ある産地の地理、気候、環境が、ワインの外観、香り、味わい、品質に与える影響を答える問題
- あるワインの外観、香り、味わい、品質を達成するためのブドウ栽培方法、ワイン醸造方法、熟成方法を答える問題
- あるワインの保存方法や提供方法を答える問題
図にすると以下のとおりです。
WSETでは、ワインのスタイルを紐解くために、
- 地理・気候・環境 (自然的要因)
- 栽培・醸造・熟成 (人的要因)
- ワインのスタイル
の関わり合いに注目しています。そのため試験でも、これら一つ一つの要素の説明、そしてこれらの要素のかかわり合いを問う問題が出題されるはずです。逆に、このパターンに当てはまらない問題がWSETの試験で出題されることは考えづらいです。
つまり、WSETで出題される問題は完全にパターン化されているということです。
具体的には
具体例に移りましょう。
スタディー・ガイドに記載されているある問題は、おおよそ以下のとおりです。
あるシャルドネからは○○の香りがした。この醸造方法、熟成方法を特定し、詳述しなさい。
この問題は、ワインのスタイルから栽培・醸造・熟成方法を答えるパターン6の問題になっています。
このような問題が練習問題として出題されることから、他に予想される問題としては、
- 品種や香りを変えて出題するケース
- 逆転させて、ワインのスタイルと栽培・醸造・熟成方法からワインの香りや品質を答えさせるケース
などがあります。
まとめ
WSETの記述試験は過去問が存在しないため、勉強方法がわからず困惑している方が多いと思います。
しかし数少ないスタディ・ガイドの問題から、出題されうる問題の傾向は掴むことができます。
そしてこのサイトでは、これらの傾向に沿った練習問題を多数用意しております。
練習問題の演習を積極的に行い、ぜひ記述問題を克服してください。