アルザス | ソムリエ試験教本まとめ
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このサイトでは、ソムリエ・ワインエキスパートの一次試験対策のまとめをしています。最新のソムリエ教本の要点をまとめていますので、問題集と合わせてご活用ください。
アルザス・ロレーヌ地方の概要
アルザス・ロレーヌ地方はフランス北東部に位置し、ドイツと国境を接しています。オー=ラン県およびバ=ラン県から構成され、現在はグラン・テスト地域の一部です。この地域は農産物のほか、鉄鉱石や石炭を産出し、歴史的にはフランスとドイツでの領有権争いがありました。
歴史的背景
1648年のウェストファリア条約でフランスに割譲され、1871年のフランクフルト条約でドイツに譲渡されました。第一次世界大戦後の1919年にベルサイユ条約によってフランスの領土に戻りましたが、1940年にナチス・ドイツに占領され、1945年にフランス領に復帰しました。このような歴史的背景により、ドイツ文化の影響が強いです。
アルザスのブドウ栽培の歴史
古代ローマ時代からワインが栽培されていましたが、明文化されたブドウ栽培は9世紀になってから始まります。普仏戦争後、ドイツでの需要に応じて質よりも量が求められ、安価なブレンドワインの供給地となりました。19世紀末にはウドン粉病やフィロキセラの影響があり、交配品種が植えられるようになりました。1962年にアルザスおよびヴァン・ダルザスA.O.C.が制定され、1975年にはアルザス・グラン・クリュA.O.C.、1976年にはクレマン・ダルザスA.O.C.が誕生しました。
アルザスの文化
アルザスではドイツ食文化が色濃く表れています。典型的な料理としては、シュークルート(ザワークラウト)、ベックオフ、タルト・フランベ、クーゲルホフ、フォアグラなどがあります。また、ストラスブールにはEUの重要機関が集まっています。
経済とワイン生産
アルザスの経済は鉄鉱石や石炭の産出による鉱工業が発展してきました。ワイン産業は重要な役割を果たし、2017年には約3200万本のワインが輸出され、総生産量の25%を占めています。
気候と土壌の特性
アルザスのブドウ畑は、ヴォージュ山脈とライン川に挟まれた地域に広がります。この地域はフランス国内で最も降水量が少なく、大陸性気候を有しています。土壌は非常に多様で、1つの村に4、5種類の土壌が見られることもあります。
ワイン生産量と主要ブドウ品種
2020年度のワイン生産量は約975,870hlで、内訳は白ワイン90.3%、赤ワイン1.2%、ロゼワイン8.5%です。また、主要なブドウ品種には以下が含まれます:リースリング、ピノ・ブラン、シルヴァネール、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ、ピノ・ノワール。
紹介するワイナリー名および人名
具体的なワイナリー名や著名な生産者名は本文には記載されていませんが、アルザスのワイン生産者は地域の特性を生かした独自性のあるワインを生産しています。
アペラシオン名とその概要
アルザス地方の主要なA.O.C.ワインには、Alsace及びVin d'Alsaceがあります。これは、1945年に認められ、1962年に正式に制定されたもので、アルザス地域のほぼ全域をカバーしています。このA.O.C.の規定により、多くの場合、このワインは単一の品種から醸造され、ラベルにはその品種名が記載され、原産地呼称が明確に示されます。
- 赤ワイン: Pinot Noir
- ロゼワイン: Pinot Noir
- 白ワイン:
- Auxerrois
- Chasselas
- Gewurztraminer
- Riesling
- Pinot Blanc
- Pinot Gris
アルザス地方では、特にリースリングやゲヴュルツトラミネールなどが高品質な白ワインを生産することで知られています。これらの白ワインは、フルーティーで芳香豊かな特徴があり、食事との相性も非常に良いとされています。
地理的な名称
特定の条件を満たす場合、以下の13の地理的名称をワインに付記できます。これらの地名は、品質や特性において重要な役割を果たしており、ワインの個性を強調します。
- Bergheim - 白・Gewurztraminer
- Blienschwiller - 白・Sylvaner
- Coteaux du Haut Koenigsbourg - 白・Gewurztraminer, Riesling
- Ottrott - 赤・Pinot Noir
各品種ごとの最高収穫量や最低果汁糖度の規定があり、特にピノ・ノワールとピノ・グリの収穫は手摘みに限ります。この規制により、ぶどうの品質が保たれ、より優れたワインが生産されるのです。
製法と重要な規定
複数の白品種をアッサンブラージュしたワインは、特定の条件を満たす必要があります。たとえば、Gentilと名乗るためには、高貴品種のリースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールを50%使用しなければなりません。このような規定は、ワインの品質を確保するために重要です。また、特定の条件をクリアした場合、Vendanges TardivesやSelection de Grains Noblesの表記も可能です。これらは、収穫が手摘みに限られ、収穫後の熟成が必要です。
著名なワイナリーと生産者
アルザス地方には多くの有名ワイナリーや生産者がありますが、具体的なワイナリー名は教本には特に記載されていませんでした。ただし、「ドメーヌ・シュレール」や「ドメーヌ・ミッシェル・マッス」などは、アルザス地方のワイン醸造において特に有名です。これらのワイナリーは、その伝統的な製法と高品質なワインで広く知られています。
歴史的背景と重要な年号
アルザス地方のワイン文化は、1945年にアペラシオンが認められたことがはじまりですが、正式な認可は1962年まで待たなければなりませんでした。この時期は、アルザスのワイン産業が大きく変化し、国際的にも評価されるようになった重要な年代とされています。Alsace Grand Cruは1975年に認定され、以降も地理的名称や規定の改訂が行われています。
ロレーヌ地方の概要
ロレーヌ地方を包括する県は、モゼル、ムールト=エ=モゼル、ムーズ、ヴォージュです。歴史的にはアルザスと密接な関係があり、かつて鉄鋼業が盛んでした。ワインの生産量は9,764hl(2020年度実績)で、A.O.C.ワインは4,710hlです。この地域では、特に白ワインが多く生産されており、ピリッとした酸味が特徴です。
具体的なワイン例
ロレーヌ地方で主要なワインには、以下があります。
- Côtes de Toul - 主にガメイ、ピノ・ノワール、オーセロワを用いる
- Moselle - 多彩な品種が使用され、地理的表示が認められたワイン
これらのA.O.C.ワインは、各地域のテロワールの影響を強く受けており、個々のワインに特有の風味と香りをもたらします。ワイン試験においては、これらのA.O.C.の特徴や規定を理解することが重要です。
記憶が新鮮なうちに、練習問題を解きましょう。覚えてアウトプットをしての繰り返しで記憶は定着してゆきます。