教本まとめ

オーストラリア概要 | ソムリエ試験教本まとめ

※本サイトには記事内にプロモーションが含まれています。視覚的に学習しやすくするよう商品名やワイン名にamazonリンクを貼っています。
このサイトでは、ソムリエ・ワインエキスパートの一次試験対策のまとめをしています。最新のソムリエ教本の要点をまとめていますので、問題集と合わせてご活用ください。

オーストラリアのワイン産地について

オーストラリアは広大な国で、ブドウ栽培地域は主に南半分に広がっています。具体的には南緯31度から43度の範囲にあり、特にニュー・サウス・ウェールズ🔗州から西オーストラリア州🔗にかけて3,000km以上にわたってワイン産地があります。2019年のブドウ栽培面積は146,244haであり、ボルドーより多いもののカリフォルニアより少ないです。

  • 多様な土壌と気候: 各産地は異なる土壌特性と気候区分を持ち、同じ品種でも味わいに違いがあります。
  • 代表的な品種: シラーズは特に人気で、地域ごとのスタイルも多様です。
ウェールズ 写真
ウェールズ🔗 イギリスの一部で、特にシャルドネやロンドが栽培されている地域。 (参照元)
西オーストラリア州 写真
西オーストラリア州🔗 オーストラリアの中でワイン生産が行われる州の一つ。 (参照元)

地理的呼称とワイン産業

オーストラリアのワイン産地には114ヵ所の地理的呼称(GT)が定められており、これは州、地域、地区、小地区に分かれています。2022年にはワイン生産量が12,700,000hlに達しました。

  • 輸出市場: 国内消費に限界があるため、1,000社以上が世界100ヵ国にワインを輸出しています。
  • 水資源の制約: 気候変動の影響で水が限られており、これがブドウ栽培に影響を与えています。

ワイナリーの動向

2022年12月時点でのオーストラリアのワイナリー数は2,156社で、2014年のピーク時よりも減少しています。大手ワイナリーが再編される中、小規模な家族経営ワイナリーが注目を集めています。

  • 生産量の分布: ブドウ破砕量10,000t以上のワイナリーが全生産量の83%を占める一方で、小規模生産者は51%を占めるにもかかわらず、全生産量は1%未満です。
  • 新しいトレンド: 若い生産者の間で個性的なワインづくりが活発になっています。

歴史的背景

オーストラリアで初めてワイン用ブドウが持ち込まれたのは1788年で、ニュー・サウス・ウェールズ州で始まりました。1831年には、ジェームズ・バズビーが重要なブドウ樹を持ち帰り、オーストラリアのワイン造りの基礎を築きました。1840年代にはバロッサ・ヴァレー🔗が発展し、代表的なワイナリーであるJacobs CreekYalumbaが誕生しました。

  • フィロキセラ🔗の発見: 1877年にフィロキセラが発見され、それ以降南オーストラリア州に移行しました。
  • 戦後の変革: 1950年代からテーブルワインが人気を博し、1960年代にはペンフォールズ社がドライテーブルワインを生産しました。
ジェームズ・バズビー 写真
ジェームズ・バズビー : オーストラリアのワイン造りの基礎を築いた歴史的な人物。 (参照元)
バロッサ・ヴァレー 写真
バロッサ・ヴァレー🔗 オーストラリアの有名なワイン産地で、歴史的なワイナリーが多く存在する。 (参照元)
Peka 写真
Peka : 長時間に渡り肉を焼いた料理で、クロアチアの伝統的な調理法。 (参照元)
ペンフォールズ 写真
ペンフォールズ🔗 Grangeというアイコンワインを生み出した著名なワイナリー。 (参照元)
Yalumba 写真
Yalumba🔗 オーストラリアの著名なワイナリー、歴史ある生産者。 (参照元)

現在のワイン文化と消費動向

現在、オーストラリアは世界第5位のワイン輸出国で、2021-22年度の総輸出額は21億豪ドルに達しました。主要な輸出先はアメリカ(21%)、イギリス(20%)です。

  • 持続可能な取り組み: 環境保全に向けた「Sustainable Winegrowing Australia」を推進しており、持続可能性の向上に向けた努力が続けられています。
  • 食文化の発展: 食材を使った洗練された料理が多く楽しめるようになっており、特にメルボルンではグルメの文化が栄えています。

主なブドウ品種について

オーストラリアで栽培されているブドウは主にヨーロッパからもたらされたものであり、130を超える品種が確認されています。赤白のトップ10品種は全収穫量の95%を占めています。

  • 業界の動向: グルナッシュが人気を集めており、その単価がピノ・ノワールを上回るなど、品種の多様性が重要視されています。
  • オールタナティヴ品種: 地中海原産の品種が注目され、将来への試みとしての取り組みが行われています。
グルナッシュ 写真
グルナッシュ : 最近人気が高まりつつある赤ワイン用のブドウ品種で、特にオーストラリアにおける需要が増加している。 (参照元)

ワイン法と品質分類の概要

オーストラリアのワイン法と品質分類については、1929年に設立されたワインオーストラリア公社(WAC)によって、オーストラリアのワイン品質の向上と国際市場での評価を目的として規定されています。

ワインの規制と基準

オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関🔗(FSANZ)の食品基準4.5.1によると、アルコール度数が 4.5度未満 のものはワインとは認められません。また、酸化防止剤や保存料の表示が義務付けられています。

輸出制度の変更

2012年1月にオーストラリアのワイン輸出許可制度が変更され、輸出前検査が廃止されました。しかし、 100リットル以上 の出荷については輸出許可が必要です。

地理的呼称(G.I.)制度

地理的呼称制度は、1980年代後半から始まり、特定の地名がワインの表示に使用されることを保護するために設立されました。この制度に基づいて、原料ブドウの栽培者やワイン製造者によって申請されたG.I.が決定されます。

G.I.制度の目的

主な目的は、特定の原産地で収穫されたブドウから造られたワインの表示を保護することです。これにより、消費者の権利も保護されます。

設定基準

G.I.の決定は以下の基準に基づいて行われます。

  • 歴史:ブドウ栽培の歴史やワイン製造の歴史
  • 地質や気象条件
  • 排水状況や水源、標高

オーストラリアのワイン産地

オーストラリアの主要なワイン産地には以下のものがあります:

ヴィクトリア州 写真
ヴィクトリア州 : オーストラリアのワイン産地で、特に多様なワイン造りが行われる地域。 (参照元)
クレア・ヴァレー 写真
クレア・ヴァレー🔗 リースリングとシラーズの栽培が盛んな地区で、Sevenhill Cellarsが有名。 (参照元)
Sevenhill Cellars 写真
Sevenhill Cellars : クレア・ヴァレーにある、1851年創業の歴史あるワイナリー。 (参照元)
マーガレット・リバー 写真
マーガレット・リバー : 西オーストラリア州で高品質なワインが生産される地域 (参照元)

ラベル表示の規定

オーストラリアのワインラベルには、地域名やヴィンテージ、使用したブドウ品種の表示が求められます。特定のG.I.が含まれる場合、85%以上のブドウがその地域で栽培されたことを示すことができます。

使用されるブドウ品種

オーストラリアでは、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなどの多様なブドウ品種が使用されています。

重要な年号と歴史的背景

ワインオーストラリア法は 2013年 に制定され、オーストラリアのワイン産業のサポートが強化されました。これにより、オーストラリア産ワインの品質と市場競争力が向上しています。

記憶が新鮮なうちに、練習問題を解きましょう。覚えてアウトプットをしての繰り返しで記憶は定着してゆきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です