クロアチア | ソムリエ試験教本まとめ
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このサイトでは、ソムリエ・ワインエキスパートの一次試験対策のまとめをしています。最新のソムリエ教本の要点をまとめていますので、問題集と合わせてご活用ください。
目次
クロアチアの基本情報
クロアチアは1991年にユーゴスラビアから独立し、2013年にEUに加盟した国です。国名はクロアチア語で「Hrvatska」と呼ばれています。観光業は重要な産業で、特にアドリア海沿岸は有名なデスティネーションとなっています。また、2023年にはクロアチア・クーナからユーロへ通貨が切り替わり、シェンゲン協定にも加盟しました。
地理と文化
クロアチアは大きく四つの地域に分かれます。
- ダルマチア地方:アドリア海に面し、ヴェネツィア共和国の影響を受けた食文化があります。
- イストラ地方:トリュフや牡蠣の産地で、山海の食材に恵まれています。
- 中央クロアチア地方:ザグレブが位置し、オーストリアやハンガリー料理の影響があります。
- スラヴォニア地方:パプリカを使った料理が主流で、ワインの生産にも特徴があります。
クロアチアのワイン生産と歴史
クロアチアのブドウ栽培は2500年前の古代ギリシャ時代に始まりました。中世にはワイン生産が拡大し、オスマン・トルコの影響で禁酒法が課されましたが、ワイン生産が許可されていた僧侶たちにより文化が続きました。
- 1894年:フィロキセラの影響を受けず、ワインが豊富に輸出されましたが、20世紀には植樹が進みます。
- 1991年:クロアチアが独立し、ワイン産業は再編成されます。
- 2013年:EU加盟で技術や資金が流入し、ワイン産業が近代化されました。
主要ブドウ品種と栽培面積
クロアチアでは258種のブドウ品種が認められています。主要なブドウ品種には以下があります。
- グラシェヴィナ:全体の約30%の栽培面積を占める。
- マルヴァジア:地中海沿岸で人気の品種。
- プラヴァッツ・マリ:赤ワインに多用される土着品種。
ワイン法と品質分類
2004年から制定された評価制度では、ワインはテーブルワイン、クオリティワイン、プレミアムワインの3つに分類されます。各カテゴリには基準となる総合評価点があります。
- ストルノ・ヴィーノ(テーブルワイン):70点以上で認定。
- クヴァリテトノ・ヴィーノ(クオリティワイン):75点以上で認定。
- ヴルフンスコ・ヴィーノ(プレミアムワイン):82点以上で認定。
クロアチアの料理
クロアチアの料理は地域によって異なり、近隣諸国の影響を受けています。主な料理には以下があります。
- グリル料理:新鮮な魚を使った料理が人気。
- Gulaš:パプリカを使った肉のシチュー。
- ザグレブ・スカロッペ:チーズを巻いたカツレツ。
- Peka:長時間に渡り肉を焼いた料理。
クロアチアの料理文化は、多様性と地域特有の食材を活かした料理が魅力です。地域毎に異なる伝統料理があり、それぞれ味わい深い食体験を提供しています。
クロアチアのワイン産地の概要
クロアチアのワイン産地は、長らく大陸部と沿岸部という二つの分類がされてきましたが、2013年のEU加盟に伴い、3つのリージョンに区分されるようになりました。2019年には、「スラヴォニアとクロアチアンドナウ」(Slavonija i Hrvatsko Podunavlje)、「クロアチア高地」(Središnja Bregovita Hrvatska)、「イストラとクヴァルネル」(Hrvatska Istra i Kvarner)、そして「ダルマチア」(Dalmacija)という4つの産地が正式に制定されました。この地域には、さらには12のサプリージョン(Podregija)と72の小地区(Vinogorje)が存在し、多彩なワインが生産されています。
スラヴォニアとクロアチアンドナウ
この地域は、北にハンガリーとの国境になるドラヴァ川、東にモルビアとの国境であるドナウ川を有する広大な平野です。スラヴォニアン・オークの森が広がり、穏やかな大陸性気候を持っています。古代ローマ人がワイン造りを持ち込んだ以来、ワイン生産には長い歴史があります。重要な品種としては、グラシェヴィナやトラミナッツがあり、特にトラミナッツは伝統的にドライまたはセミドライで造られ、その風味は非常に多様です。代表的な生産地にはイロックやエルドゥトが含まれ、品質の高いワインが生産されています。
スラヴォニアの特徴
スラヴォニアは、クロアチア最大のワイン生産地であり、19世紀末にフィロキセラによる壊滅を経験しましたが、第二次世界大戦後にはピノ系の品種が再植されるようになりました。特に、グラシェヴィナは、リンゴやアーモンド、カモミール、緑茶の香りが特徴的で、飲みごたえがあります。赤品種ではフランコヴカ(ブラウフレンキッシュ)が人気で、スティルワインやスパークリングワインの両方が楽しめます。
クロアチア高地
ザグレブを囲む丘陵地帯で、冷涼な気候が特徴です。この地域にはモスラヴィーナやプリゴリエ・ビロゴラといったエリアがあり、土着のクラリェヴィーナやグラシェヴィナが栽培されています。また、ザグレブ農業経済大学がこの地域の研究教育機関として機能しており、新たなワイン生産方法の開発に寄与しています。
ザコゴリエ・ムジムリエの特徴
この地域は長い歴史を持ち、白品種が多く栽培されています。ムラ川やドラヴァ川の間に位置する丘は、ワイン造りに最適な環境を提供しており、地域のブドウは高品質です。「Pusipell」ブランドで販売されるワインは、地元でも人気が高く、品質の高さから国際的にも評価されています。
イストラとクヴァルネル
この地域には、ワイン生産が盛んで、「イストラ品質」と呼ばれるほど、ワインのレベルが向上しています。特に、マルヴァジアやテランといった土着品種が有名で、マルヴァジアは国際的にも高い評価を受けています。
フルヴァツコ プリモリエの特徴
イストラの東部に位置するこの地域は、古代ローマ時代からワイン造りが行われています。ズラフティナ(Zlahtina)は「金のズラフティナ」として知られ、近年多くの人気生産者が現れています。この地域のワインは、アドリア海の影響を強く受け、海風がブドウの質を高める要因となっており、特に海沿いのの畑ではフルーティさとミネラル感が感じられます。
ダルマチア地方の特徴
ダルマチアは非常に多様な気候と土壌を持つ地域で、生産地の南部にはバビッチやマラシュティナといった土着品種が栽培されています。特に、プラヴァッツ・マリ(Plavac Mali)はこの地域の代表的な品種であり、フルボディの力強いワインを生み出します。最近では、国際品種の栽培も増加し、ワインの多様性が一層高まっています。
歴史的背景
この地域のワイン生産は紀元前にさかのぼり、特にフヴァル島では古代ギリシャからブドウが栽培されてきました。歴史的には、観光開発の影響で伝統的な農業が忘れ去られてきた時期もありましたが、最近では新しい生産者が増え、地域のワイン文化に新たな息吹が吹き込まれています。クロアチアのワインは、これからますます注目される存在となるでしょう。
記憶が新鮮なうちに、練習問題を解きましょう。覚えてアウトプットをしての繰り返しで記憶は定着してゆきます。