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ウルグアイ | ソムリエ試験教本まとめ

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このサイトでは、ソムリエ・ワインエキスパートの一次試験対策のまとめをしています。最新のソムリエ教本の要点をまとめていますので、問題集と合わせてご活用ください。

ウルグアイの概要

ウルグアイは、正式名称「ウルグアイ東方共和国」を持つ南米の国です。ブラジルの東、アルゼンチンの西に位置し、南は大西洋に面しています。人口は約*347万人*で、首都モンテビデオ🔗には*175万人*が居住しています。また、国土面積は*176,215km²*で、日本の約半分となっています。

モンテビデオ 写真
モンテビデオ : 国内第2位のブドウ栽培地域で、720haの面積を有する。 (参照元)

ウルグアイのワイン生産

ウルグアイは南米でのワイン生産国として*アルゼンチン、チリ、ブラジル*に次ぐ第*4位*です。2022年のブドウ栽培面積は*5,848ha*、ブドウ生産量は*106,672,752kg*、そしてワイン生産量は*756,082hl*です。特に赤ワインが全体の*54%*を占め、ロゼワインが*35%*、白ワインが*11%*という特徴があります。

歴史的背景

ウルグアイのワイン造りは16世紀に始まりますが、17世紀にスペインからモスカテルのブドウが初めて持ち込まれることにより本格化しました。*1873年*、スペイン系移民の*Francisco Vidiella*がカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロの苗木を持ち込み、ウルグアイのブドウ栽培が発展しました。また、*1874年*にはバスク地方の移民*Pascual Harriague*がタナを持ち込み、ウルグアイの代表的なブドウ品種となりました。*2016年*からは4月14日が「タナの日」に制定されています。

Pascual Harriague 写真
Pascual Harriague : ウルグアイにタナを持ち込んだバスク地方の移民 (参照元)

ウルグアイのワイナリーと生産者

ウルグアイには多くのワイナリーが存在し、近年は品質向上のためのコンサルティングが行われています。著名な生産者には以下があります:
- *Bodega Garzón*(アルベルト・アントニーニ)
- *Pizzorno Family Estates*(ダンカン・キリナー)

アルベルト・アントニーニ 写真
アルベルト・アントニーニ🔗 ウルグアイの著名なワイン生産者で、Bodega Garzónのオーナー。 (参照元)
Bodega Garzón 写真
Bodega Garzón🔗 ワインスペクテーター誌にて世界TOP100ワイナリーに選出された注目のワイナリー。 (参照元)

気候と土壌

ウルグアイは温暖湿潤気候で、主要なブドウ生産地域は南緯*30度〜35度*に位置しています。主な地域は以下の6つに分けられます:
- 北部ウルグアイ川流域
- 南部ウルグアイ川流域
- 首都圏部
- 中央部
- 大西洋沿岸地域
- 北部内陸地域

主要なブドウ品種

ウルグアイでは、*80%*が黒ブドウ、*20%*が白ブドウです。主なブドウ品種は以下の通りです:
- *タナ(Tannat)*:ウルグアイの代表的な品種
- *モスカテル・デ・アンブルゴ*
- *メルロ*
- *カベルネ・ソーヴィニヨン*
- *カベルネ・フラン*
- *マルスラン*など

マルスラン 写真
マルスラン : カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配品種で、フルボディの赤ワインに利用される。 (参照元)

ワイン法と品質分類

ウルグアイには原産地呼称(Denominación de Origen)の制度はありませんが、*1993年6月16日*に優良品質ワインの位置づけとして*Vino de Calidad Preferente🔗(V.C.P.)*が設けられました。以下がその条件です:
1. Vino de Calidad Preferente (V.C.P.)
- ヴィティス・ヴィニフェラ🔗種のブドウから造られる
- ワインの最低アルコールが*10.5%*以上
- エチケットに収穫年を記載する場合、*85%*以上のブドウをその年産のものとする
- エチケットに品種名を記載する場合、*85%*以上がその品種

2. Vino Común (V.C.)
- テーブルワインで、紙パックやデミジョンボトルなどで販売されていることが一般的。

ウルグアイの食文化と料理

ウルグアイは生肉消費量が高く、国民一人当たりの年間消費量は*45.1kg*です。主な料理は以下の通りです:
- Asado:大きな肉の塊をグリルで焼く料理。
- Chivito:生肉や野菜が挟まったサンドイッチ。
- Milanesa:パン粉をまぶして揚げた肉。
- Alfajor:甘いお菓子で、パイに生乳と砂糖を煮詰めたものを入れたもの。
- Queso Colonia:ウルグアイを代表するセミハードタイプのチーズで、コロニア県産。

ウルグアイの料理はワインとの関わりが深く、生産されるワインの約*90%*が国内で消費されます。

Asado 写真
Asado : 大きな肉の塊をグリルで焼いた、ウルグアイの伝統料理。 (参照元)
Alfajor 写真
Alfajor : 生乳と砂糖を煮詰めたものを包んだ甘いお菓子。 (参照元)
コロニア 写真
コロニア🔗 歴史的な港町で、299haのブドウ栽培面積を持つ。 (参照元)
Chivito 写真
Chivito : 生肉や野菜を挟んだサンドイッチで、ウルグアイの人気料理。 (参照元)
Milanesa 写真
Milanesa : パン粉をまぶして揚げた肉料理。 (参照元)

ウルグアイのワイン産地と特徴

ウルグアイは19の県があり、そのうち16県でブドウ栽培が行われています。それぞれの産地は特徴的な気候や土壌を持ち、様々なスタイルのワインが生産されています。ここでは主要な産地や特徴について詳しく説明します。

主要なブドウ栽培地域

ウルグアイの主なブドウ栽培地域は以下の通りです。

  • カネロネス🔗: 2022年の国内ブドウ生産量の66.41%を占める最大の産地で、面積は3,882haです。この地域では特に赤ワインが多く生産され、主要品種にはタナ、モスカテル・アンブリゴ、メルロといった品種が含まれます。
  • モンテビデオ: 国内第2位の産地で、面積は720ha、12.3%の生産量を誇ります。モンテビデオでは、赤ワインだけでなく白ワインも生産され、特にシャルドネやソーヴィニヨン・ブランが人気です。
  • マルドナド🔗: 407haで、7%の生産量を誇る地域で、リゾート地としても知られています。ここでは、赤ブドウの割合が高く、メルロやカベルネ・フランなども栽培されています。
  • コロニア🔗: 299haで、5.1%の生産量を持つ歴史的な港町で、特にカベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネが主要な品種です。
カネロネス 写真
カネロネス : ウルグアイで最大のブドウ栽培地域で、国内ブドウ生産量の66.41%を占める。 (参照元)
マルドナド 写真
マルドナド🔗 407haの面積を持ち、7%の生産量を誇るブドウ栽培地域。 (参照元)

各地域の特色

ウルグアイのワイン産地は地域ごとに異なる特色を有しており、ここで育成されるブドウ品種も多様です。

北部ウルグアイ川流域

  • パイサンドゥ🔗: 赤ブドウが79%、白が21%を占め、主要品種にはタナ、モスカテル・アンブリゴ、メルロが含まれます。土壌には石灰が豊富で、年間平均降雨量は1,175mm。この地域は、肥沃な土壌とウルグアイ川の影響による高湿度が特徴です。
  • サルト: ブドウ栽培面積は55haで、赤ブドウ100%。水はけの良い砂利層の上にロームや砂が広がるこの地域は、高温と湿度の影響を受けやすい環境で、タナが多く栽培されています。

南部ウルグアイ川流域

  • コロニア: 世界遺産に登録されている古い町並みがあり、ワインの生産も重要。ここでは赤が85%、白が15%の比率で、主要品種にはタナ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、白はソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネが栽培されています。穏やかな気候と石の多い土壌が熟成型ブドウにも適しています。

首都圏メトロポリターナ

  • モンテビデオ: ワイナリーの70%が集中する地域で、年間平均降雨量は933mm。赤ワインは特にタナやモスカテル・デ・アンブリゴが多く、白ワインはシャルドネやヴィオニエが評価されています。
  • カネロネス: 赤ブドウが78%、白が22%。主要品種はタナやモスカテル・アンブリゴで、得られるワインは深みとバランスの取れた味わいが特徴です。
ヴィオニエ 写真
ヴィオニエ : フルーティで芳香性のある白ワイン用ブドウ品種。 (参照元)
パイサンドゥ 写真
パイサンドゥ : 赤ブドウ79%、白21%を栽培し、主要品種にはタナ、モスカテル・アンブリゴ、メルロがある。 (参照元)

重要なワイナリーと生産者

  • LOS Cerros de San Juan: ウルグアイ最古のワイナリーで1854年に創業し、長い歴史と伝統を誇ります。
  • Bodega Garzón: ワインスペクテーター誌の世界TOP100ワイナリーに選出されるなど、その品質と評判で注目されています。特に生産するワインは新世界スタイルを反映しており、世界的にも高く評価されています。

サステイナブルなブドウ栽培プログラム

ウルグアイでは、環境に配慮したブドウ栽培を推進する「サステイナブル・ブドウ栽培プログラム」が2023年現在で1,846haの面積と162のブドウ園が参加しています。このプログラムは病害虫の防除方法や環境管理を考慮した持続可能な栽培方法を認証する仕組みです。農業に関連するコミュニティの福祉や健康も重視されています。

まとめ

ウルグアイは多様なワイン産地を持ち、それぞれに特色があるため、ワイン愛好家にとって非常に魅力的な地域です。各地域の土壌や気候により育成されるブドウ品種も異なるため、赤、白、そしてロゼなど様々なスタイルのワインを楽しむことができます。これらのワインは文化と歴史を背景に、地域ごとの個性を余すところなく表現しています。

記憶が新鮮なうちに、練習問題を解きましょう。覚えてアウトプットをしての繰り返しで記憶は定着してゆきます。

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