ソムリエ・ワインエキスパート試験とは?
本ページでは、ソムリエ・ワインエキスパートとはどういう資格かや、どのような試験内容なのかから、取得するメリット、勉強の方法や参考になるサイトまで、幅広く試験の内容を紹介いたします。
ソムリエ・ワインエキスパートとは?
ソムリエ・ワインエキスパート試験とは、日本ソムリエ協会が認定している、ワインの知識と技能に関する日本の最大規模の認定試験です。
どちらもワインについての知識を証明する資格ですが、ソムリエとワインエキスパートではそれぞれ建付けが異なります。
ソムリエ
ソムリエは、お客様にワインを提供するプロフェッショナルです。食事とワインの相性(ペアリング)を考慮し、適切なワインを提案しながらサービスする専門職で、ワイン自体の知識はもちろんのこと、ワインの保管/提供に関する知識や技術、お客様の好みや食事に合うワインの提案、ワインだけでなくカクテルやウイスキーなど他のアルコール飲料の知識も必要になってきます。
レストランなどの飲食店はもちろん、ワインの卸/小売業の方もソムリエの資格を取得しているケースが多いです。
ワインエキスパート
ワインエキスパートは、一般のワイン愛好者に向けた資格です。ソムリエはその性質上、受験には飲食での3年間の従業経験が必要ですが、ワインエキスパートはそのような制限はありません。ソムリエの受験資格はないが、ソムリエと同等の知識を有していることの証明になる資格です。
ワインエキスパートを取得している人の職業は、専業主婦やお医者さん、経営者まで様々です。年齢層も、若干高い印象はあるものの、20代で取得している人もたくさんいます。
ワインを趣味で学びたいけど従業経験ないし、という方はぜひワインエキスパートを受けてみてください。
また、ワインエキスパートは取るのが大変そうという方には、もう少し初心者向けのワイン検定(ブロンズクラス・シルバークラス)も用意されています。とはいえ、いきなりワインエキスパートから受ける人も多いです。
ちなみに、上位資格にソムリエ・エクセレンス、ワインエキスパート・エクセレンスという呼称も存在します。ソムリエ・ワインエキスパート合格者が受験できる、日本最難関の試験です。
試験の概要
ソムリエ・ワインエキスパートは、毎年一回、夏から秋にかけて試験が実施されます。
ソムリエ・ワインエキスパートともに筆記、テイスティングの試験があり、両者で内容や難易度はほぼ変わりません。ソムリエのみ追加で論述試験や実技試験があります。
試験は、一次試験、二次試験、三次試験(ソムリエのみ)に分かれています。
一次試験 (筆記試験)
一次試験は、CBT形式の筆記試験です。ワインの概要や製造から、世界各国のワインについてまで、120問の問題が出題されます。出題範囲は、ソムリエ教本と呼ばれる、世界各国のワインについて記述された800ページにもわたる教科書に全て基づいています。ソムリエ教本は受験料に含まれているため、受験申込するともらえます。
問題は4択の選択問題ですが、教科書から満遍なく出題され、かつかなり細かいところまで問われます。そのため覚えなければいけない量が多く、難関試験となっています。合格ラインは60〜70%と言われています。
ソムリエ・ワインエキスパートで、試験問題は同じです。
どんな問題が出題されるのか気になりますよね。このサイトでは本番の試験を模した練習問題を作成しております!
どんな難易度の問題が出題されるのか、試しに実感してみてください。
二次試験 (テイスティング試験)
二次試験は、ワインのテイスティング試験です。いわゆるブラインドテイスティングというやつです。ワインがブラインドで3,4アイテム置かれるので、そのワインの香りや味わいを選択肢から選び、かつそのワインのブドウ品種、生産国、生産年を答えるテストです。
実際にどのようなことが行われているかは、こちらのYoutubeを御覧ください。
またテイスティング試験では、ワイン以外の飲料も出題されます(ソムリエは2種、ワインエキスパートは1種)。ジンやテキーラなどの有名なものから、オー・ド・ヴィー・ド・キルシュやベネディクティンなどの馴染のないスピリッツ・リキュールまで幅広く出題されます。
またソムリエは、二次試験で論述試験も課されます。テイスティング試験で出題されたワインについてや、ペアリングの提案、日本ワインの法律に関してなど、幅広く出題されます。
三次試験 (実技試験)
また、ソムリエのみ三次試験が存在し、そこではワインのサーブが課されます。試験内容は、パニエに入れたワインを抜栓しデキャンタージュするというもので、長年変わっていません。
日程・会場
一次試験はCBTですので、決まった日程に集まって試験という形ではなく、一定期間内であればいつ受けてもよい仕組みになっています。ソムリエ・ワインエキスパート共に、一次試験は毎年7月下旬から8月末までの期間に実施されます。
ちなみに、一次試験の受験可能回数は申込時に1回か2回かを決められ、2回にすると追加料金がかかります。とはいえ、保険のために割とみなさん2回受験可能な方で申し込んでいる印象です。
二次試験は、ソムリエ・ワインエキスパート共に同一の日に会場に集められます。毎年10月の平日にセットされることが多いです。ソムリエは、テイスティング試験が終わったらそのまま筆記試験に移ります。
三次試験は毎年11月中旬に、これまた指定の会場で実施されます。
総じて、夏から秋にかけて割と長期戦になる試験です。毎年9,10月は、2次試験のためにワインバー にブラインドテイスティングの練習をしたい人が現れるので、巷では一種の季節の風物詩になっています。
受験資格
ソムリエを受験するためには、下記条件を満たす必要があります
- ソムリエの職務が本職(主たる職業・職務)であること
- 全収入の60%以上をソムリエの職務により得ている こと
- ソムリエの職務を「就労時間月90時間以上の勤務で通算3年以上」経験していること
- 2年以上ソムリエ協会の会員の場合は、通算2年以上
- 一次試験が終わる月(※)においても同条件で従事していること
協会の記述にならって細かく書きましたが、アルバイトでもいいのでワインを少しでも取り扱う職に3年以上在籍していて、今もワインを取り扱う職についていれば、割と幅広く受け入れてくれる印象です。
逆にワインエキスパートは、満20歳以上であればどなたでも受験できます。
受験料金
ソムリエ・ワインエキスパートになるためには、受験料 + 入会金(任意) +会費(任意) + 認定料が必要です。
受験料は下記の通りで、一次試験のCBTを何回受けられるか、受験と同時にソムリエ協会に入会するかで受験料が変わってきます。
受験料 | 金額 | ||
会員 | 一般 | ||
一次試験 受験回数 | 1回 | 20,380円 | 29,600円 |
2回 | 25,220円 | 34,440円 |
また、ソムリエ・ワインエキスパートを受験するうえでソムリエ協会への入会は任意ですが、受験と同時に入会する場合は別途入会金と会費がかかります。同時に申し込めば、入会金は半額の5,000円となりますが、会費は入会月に応じてかかってきます。例えば3月に入会したら12,500円、7月に入会したら7,500円がかかります。ちなみに、ソムリエ協会に入会しないとソムリエ・ワインエキスパートを取得できない、ということはありません。
最後に、合格した際には別途認定料がかかってきます。こちらは税込みで20,950円になります。
例えば、募集開始の3月に一次試験を二回受けられるパターンで申し込みかつソムリエ協会入会も同時に行い、ストレートで合格すると、合計で25,220円 + 5,000円 + 12,500円 + 20,950円 = 63,670円になります。
合格率・難易度
さて、どの程度の規模・難易度の試験になのでしょうか。
ソムリエ・ワインエキスパートで、毎年3,000〜4,000人の受験者がいます。毎年の司法試験の人数と同じくらいですね、比べても仕方ないですが。近年はソムリエを受験する人が少なくなっていますが、ワインエキスパートは微増しています。
また毎年の合格率は30〜40%となっており、それなりに難易度が高い試験になってます。これまた司法試験と同程度の合格率ですね。ソムリエ・ワインエキスパートも、前年に落ちた人も分母に含まれますので、ストレートで一次二次試験に合格する割合はそれ以下になります。
さてこの難関試験、どうやって学習したらよいでしょうか
本サイトではよくある学習方法や、おすすめのスクール、コンテンツを紹介しています!ぜひご覧ください。
また、難易度を体感してもらうためにも、一度どのような問題が出題されるのか体験してみませんか?本サイトでは本番の試験を模した練習問題を作成しておりますので、そちらもぜひご覧ください!
ソムリエ・ワインエキスパートを取得するメリット
1. 知識の証明になる
ソムリエやワインエキスパート資格は日本で最も有名な資格であるため、体系的なワイン知識を有している証拠となります。
特に飲食業界やワイン関連の仕事を目指す場合、プロフェッショナルとしての信頼性が格段に高まります。
2. ブドウのバッジがかっこいい
飲食店の方が、たまに胸元に金色のブドウのバッジをつけているのを見かけませんでしょうか。この、金のバッジは、ソムリエ・ワインエキスパートに合格したらもらえます!
飲食店やイベントでバッジをつけていると、専門家としての存在感を発揮できます。
3. ワイン好きの仲間が増える
資格取得を目指す中で、ワインスクールなどで同じ目標を持つ仲間と知り合える機会が増えます。
また資格取得後も、ワイン会や業界イベントを通じて、人脈が広がります。
ソムリエ・ワインエキスパート試験を勉強することで、ワインを深く楽しむためのコミュニティに参加するきっかけになります。
4. ワインの楽しみ方が深まる
ワインの産地やブドウ品種、テイスティングの技術を学ぶことで、ワインの解像度が上がり楽しみが増えます。
自分の好きなタイプのワインを知ることができたり、学んだワインを飲んでみたり、ワインの味わいを自分の言葉で伝えられるようになり、ワインの楽しみ方が格段に広がります。
5. キャリアアップにつながる
日本で最も権威のある飲食系の資格の一つであるため、飲食業界では資格が昇進や役職につながるケースがあります。
ワインショップやインポーター、教育分野でも資格が評価され、転職や独立のチャンスが広がります。
6. 旅行やプライベートでも役立つ
ソムリエ・ワインエキスパートでは世界各国のワインを学ぶため、ワイン産地を訪れたときに知識を活かして深く楽しむことができます。
また、プライベートの食事やパーティーでワインの選び方や説明ができると、一目置かれる存在に!
7. 挑戦の達成感を得られる
資格取得には一定の勉強や努力が必要ですが、その分、達成感があります。
特に試験が難しいことで知られている資格なので、取得できたときの喜びは大きいです
まとめ
項目 | ソムリエ | ワインエキスパート |
対象者 | 飲食業従事者向け | ワイン愛好家向け |
一次試験 (CBT) | ◯ | ◯ |
二次試験 (テイスティング) | ◯ | ◯ |
二次試験 (論述試験) | ◯ | - |
三次試験 (実技試験) | ◯ | - |
受験者数 (2023年) | 3,224人 | 3,499人 |
合格率 (2023年) | 17.7% | 41.9% |
本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート資格について、その魅力や取得のメリット、さらには試験概要まで解説してきました。ソムリエ・ワインエキスパートの資格を手にすることは簡単ではありませんが、ワインへの情熱を糧に努力を重ねれば、きっとその先に大きな達成感と新たな可能性が広がることでしょう。
試験に合格するためには、最初の一歩としてしっかりとした準備が欠かせません。特に一次試験では膨大な知識が問われるため、学んだことを確実に定着させるには問題演習が欠かせません。実際の試験形式に触れることで、知識を効率よく身につけ、本番でも自信を持って回答できるようになります。
当サイトでは、ソムリエ一次試験に向けたオリジナルの問題集を提供しています。知識を深めるだけでなく、実際の試験形式に慣れるための練習に最適です。ぜひ活用して、合格への近道を切り拓いてください。