Level 3

WSET Level3 練習問題(アルザス)

このページでは、WSETテキストの章ごとの内容を、WSETの出題形式に沿った練習問題の形式で復習します。

この章では、「アルザス」について学習します。

問1

アルザス地方では, 良質な畑は斜面に位置している。平地のブドウの樹は高く仕立てられているが, 良質な斜面の畑に植栽されたブドウの樹は, 一般的に低く仕立てられている。その理由を説明しなさい。

4点

答え

解答

平地では, 冷気が下に溜まり霜害を引き起こさないようにブドウの樹は高く仕立てられているのに対し, 斜面に位置する良質な畑は霜害のリスクが低いため, 地面からの放射熱を受け易いように, ブドウの樹は低く仕立てられている。冷涼から温和なアルザスの気候では, 地面からの放射熱の増加はブドウの成熟を助ける

採点基準

  • 平地でブドウの樹が高く仕立てられているのは, 「霜害のリスクを最小限にするため」であることに触れて1点。
  • 良質な斜面の畑では, 平地と異なり「霜害のリスクが少ない」という点に触れて1点。
  • 良質な斜面の畑でブドウの樹が低く仕立てられているのは, 「地面からの放射熱を受け易いようにするため」であることに触れて1点。
  • 地面からの放射熱の増加は, 「ブドウの成熟を助ける」ことに触れて1点。

問2

Part 1

アルザスでは, リースリングやミュスカなどの「貴品種」と呼ばれるアロマティックなブドウから, 上質なワインが造られる。リースリング, ミュスカ以外の上質なワインの原料となるブドウ品種を2つ特定し, そのワインのスタイルを説明しなさい。

品種1:

品種2:

6点

答え

解答

品種1:ゲヴェルツトラミネールで, 色調は黄金色, ライチやバラ, スパイスなどの芳しい香り, 酸味は低くオイリーフルボディなスタイルのワインが造られる。

品種2:ピノ・グリで, 色調は黄金色, ドライフルーツやはちみつの風味を持つアルコール度数の高いフルボディのワインが造られる。

採点基準

  • ゲヴェルツトラミネール」と「ピノ・グリ」と答えて各1点, 合計2点
  • ゲヴェルツトラミネール種から造られる上質なワインの特徴として, 「黄金色」「ライチやバラ, スパイスなどの芳しい香り」「低い酸味」「オイリー」「フルボディ」などを挙げて各1点, 最大2点。
  • ピノ・グリ種から造られる上質なワインの特徴として, 「黄金色」「ドライフルーツやはちみつの風味」「アルコール度数の高い」「フルボディ」などを挙げて各1点, 最大2点。

Part 2

アロマティックな白ブドウ品種が持つ本来の果実の風味を損なわないために, 収穫から醸造の過程において生産者が取り入れることができる3つの対策を特定して, それらを説明しなさい。

対策1

対策2

対策3

6点

答え

解答

対策1:涼しい夜間に収穫を行い, ワイナリーに届くまでブドウの実を冷やすなど, 収穫後のブドウを常に涼しい環境下に置く。ブドウを冷涼な環境下に置いておくことにより, 酸素との反応を鈍らせ, 酸化による果実の風味の損失を防ぐ

対策2:発酵前に固形物を沈殿させる。ブドウの果汁を清澄させることによって, 果実の風味を隠してしまいかねない物質を除去する

対策3:発酵に不活性の容器を使う。不活性の容器を使うことによって, 果実の風味を損ないかねない物質が容器から抽出されることを防ぐ

採点基準

  • 対策の一つとして, 「収穫後のブドウを常に涼しい環境下に置く」という点に触れて1点。「夜間に収穫を行う」であったり「ワイナリーに届くまでブドウの実を冷やす」などの, 具体的にどのように涼しい環境下に置くかの記述がなければ加点しない。
  • 上記の対策の目的は, 「酸素との反応を鈍らせ, 酸化による果実の風味の損失を防ぐ」ことにあるという点に触れて1点。
  • 対策の一つとして, 発酵前のブドウ果汁を「清澄化する」という点に触れて1点。
  • 上記の対策の目的は, 「果実の風味を隠してしまいかねない物質を除去する」ことにあるという点に触れて1点。
  • 対策の一つとして, 発酵に「不活性の容器を使う」という点に触れて1点。
  • 上記の対策の目的は, 「果実の風味を損ないかねない物質が容器から抽出されることを防ぐ」ことにあるという点に触れて1点。

問3

Part 1

このワインの甘味と酸味のレベルを描写し, このワインの熟成の可能性を判断し説明しなさい。

4点

答え

解答

甘味は辛口で, 酸味は高い酸度も高く, 熟成させるとアロマが興味深く発達すると考えられることから, 熟成の可能性があると考えられる。

採点基準

  • 甘味を「辛口」または「オフドライ」と答えて1点。
  • 酸味を「高い」と答えて1点。
  • 熟成の可能性がある」と答えて1点。
  • 熟成の可能性がある理由として, 酸度が高く, アロマも興味深く発達すると考えられるということに触れて1点。

Part 2

このワインは, フードルと呼ばれる大きなオークの旧樽で発酵が行われる。このフードルによる発酵はどのような長所があり, ワインのスタイルにどのように貢献しているのか説明しなさい。

答え

解答

フードルは, 樽の内側に形成された酒石の層により木質とワインの接触がないため, 樽の風味がつくことがなく, 樽を通してわずかに流入する酸素により, ワインの感触を豊かにし, わずかに複雑な風味を与える

4点

採点基準

  • フードルでの発酵によるワインのスタイルへの貢献として, 「ワインの感触が豊かになる」または「ワインに複雑な風味が加わる」ということに触れて1点。
  • 上記のワインのスタイルの変化は, フードルを通した「わずか酸素の流入」により達成されることに触れて1点。
  • フードルによる発酵は, ワインに「樽の風味がつかない」というメリットがあることを挙げて1点。
  • 上記の理由として, フードルは「木質とワインの接触がない」ということに触れて1点。

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選択問題の対策していなかったら予期せず足を引っ張られる可能性もあります。また、選択問題演習を通じて章の理解が深まり、記述問題の対策にもなります。

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