清澄度
清澄度とは
清澄度とは、ワインがどれだけ澄んでいるかを示す尺度です。
清澄度は、ワインの健全さを測る上で重要な項目です。ワインの瓶詰め時や運搬時、そして保管時に何か異常が生じると、ワインに意図しない濁りが生じることがあります。ワインの清澄度を見ることで、このようなワインが劣化を受けたかのヒントを得ることができます。
中にはろ過をせずに意図的に濁りを生じさせているワインも存在しますが、基本的に健全なワインは澄んで輝いています。
また赤ワインは、アントシアニンなどの成分が光をよく吸収してしまうため、一般的に白ワインより清澄度は低くなります。
ワインはなぜ澄んでいるの?
さて、ワインはなぜ澄んでいるのでしょうか。
発酵直後のワインは様々な成分を含んでいるため、多かれ少なかれ濁りを見せているのが普通です。この濁った液体はそのままボトルに詰められるのではなく、清澄やろ過の工程を経てワインの濁りをなくしてからボトルに詰められることが一般的です。
これには大きく二つの理由があります。
不要物を除去するため
一つは、発酵後のワイン中に含まれるいらない微生物や酵母を除去することにあります。
ビンの中に微生物が残ってしまっていると、微生物の作用によりワインの成分が不都合な方向に変質してしまう可能性があります。また、ワインの中に酵母が残ってしまっていると、ワインの再発酵が生じたりしてしまいます。
意図しない変質や再発酵を防ぎワインの品質を保つためにも、ワインの清澄やろ過は欠かせない工程なのです。
見栄えをよくするため
もう一つは、見栄えのためです。
消費者はワインに透明さクリーンさを求めます。ワインの品質に全く問題がなくても、濁ったワインと透明なワインの二本があれば、ほとんどの消費者は透明な方を選択するでしょう。消費者は、濁っているワインを見ると、品質に問題があると感じてしまうのです。
ワインが濁っているということは、消費者の購買意欲を低下させるのに十分な要因なのです。そのため、消費者に健全なワインであることを示すために、ワイン中のタンパク質を除去したり、オリ下げを行ったり、不要な固形物をろ過し澄んだワインを作る生産者が多いのです。
清澄度の表現
ソムリエ・ワインエキスパート試験において、清澄度を表現する単語として以下が挙げられています。白ワインと赤ワインで使われる単語が違うことに注意してください。
- 白ワイン
- 澄んだ
- やや濁った
- 濁った
- 赤ワイン
- 澄んだ
- 深みのある
- やや濁った
- 濁った
近年のソムリエ・ワインエキスパート試験においては、白ワインは今まで「澄んだ」しか模範解答として選ばれていません。 そのため白ワインの場合は、清澄度は「澄んだ」を選んでおくのが無難です。
赤ワインの「深みのある」は少し異質な表現です。「深みのある」は、品質を保証するのに十分透明ではあるものの、色が濃いため透明と表現するのがはばかられる場合に使用します。近年の模範解答では、赤ワインも基本的に「澄んだ」が選ばれることが多いですが、色の濃い新世界のカベルネでは「深みのある」なども正解として挙げられています。
「やや濁った」「濁った」は、ワインに著しく固形成分などの浮遊物が見られる場合に使用します。特殊なワインを除き、これらは主に欠陥品として認められたワインに使用する単語ですので、ソムリエ・ワインエキスパートの二次試験に出てくるワインには基本的に使用しません。
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